鼠径ヘルニアの自己診断
足の付け根あたり(鼠径部)に腫瘤を触知し『鼠径ヘルニアと思うのですが、、、』と来院され、外来にて診察させて頂くとヘルニアではなかった…ということもよくあります。
患者様は症状からインターネットなどで検索する場合
(google)や(Yahoo)で
【検索ワード】 : 鼠径部 腫瘤 あるいは
【検索ワード】 : 足の付け根 シコリ
などと調べると『鼠径ヘルニア』とヒットします。
様々なホームページで鼠径ヘルニアに対する詳しい説明が書かれていますが、患者様がこれらの長い文章を読み、自分が鼠径ヘルニアであるかどうかの診断ポイントを探るのはとても難しいのではないでしょうか?
ではどんな場合が鼠径ヘルニアで、どんな場合が違う のか簡単な診断ポイントを3つに絞りまとめておきます。
あくまでも参考として考えて頂き受診して専門医の診断を受けることが絶対であることはお断りしておきます。
[ポイント①]
押すと戻る。あるいは横になると戻る。
これは鼠径ヘルニアの腫瘤の特徴です。
ボタンを押すかの様に、出た腫瘤を押すと引っ込みます。
中には押しても戻らない様な大きなものもありますが、大きい腫瘤を触知したら戻ると戻らないとにかかわらず早急に受診しましょう
また嵌頓といって一気に腸が出て戻らなくなることがありますが、この場合腫瘤部の痛みやお腹の張りや痛みなど その他の強い症状を伴うことが多いです。強い症状を伴うことが多いので放置することは少ないと思う思いますが緊急の処置が必要になります。
[ポイント②]
大きさは親指の先 以上
腫瘤の大きさは親指の先ぐらいかそれ以上であることが多いです。親指の先より小さく(例えば)大豆位の大きさの場合リンパ節の腫脹であることも多いです。鼠径ヘルニアの膨隆はヘルニアが別名『脱腸』と呼ばれる様に腸が筋肉の隙間から出てきます。その腸を触れるわけですからある程度の大きさで触知します。
また右下腹部が立つと全体的におぼろに腫れている感じがすると訴える患者様もおられますが、やはりこの場合も便秘などでお腹が張っているだけのことが多くヘルニアは否定的です。
[ポイント③]
硬さは弾力のあるソーセージ程度。
鼠径ヘルニアは別名『脱腸』と言いますが、文字通り筋肉の間から脱出した腸を触れている(ことが多い)ので、硬さは弾力のあるソーセージぐらいで、決してカチンコチンではありません。カチンコチンの腫瘤の場合では膿の溜まりや腫瘍などの可能性があります。
★上記の自己診断のポイントをまとめます★
鼠径部に腫瘤を触知したら
まず立ちましょう。そしてお腹に力を入れると鼠径部にポコッと出てきた場合(あるいは元々出ている場合)
そっと人差し指一本でその腫瘤を触りましょう。
触感が弾力のあるソーセージの様で親指の先以上の大きさであれば怪しいです。
腫瘤を押すと引っ込むでしょうか?押すと引っ込んだ。さらに押した手を離してお腹に力を入れたら再度ポコッと出てきたらかなり鼠径ヘルニアの可能性大です。
押すのが怖いなどで難しい場合は横になりましょう。さっき触れていた腫瘤はどうでしょうか?
もし触れなくなっていたら鼠径ヘルニアの可能性が高いと思います。
上記はあくまでも自己診断の目安であり、受診頂き診断させて頂くのが絶対であることを再度強調させて頂きます!。
お気軽に外来にてご相談下さい。
https://takasago.clinic/blog/252.html
↑ 鼠径ヘルニア関連blog