お酒を飲んでも顔が赤くならないあなたへ
〜実は“飲める人”ほど肝臓が危ないかもしれません〜

「自分はお酒に強いから大丈夫」
「顔も赤くならないし、毎日晩酌しても平気」
そんなふうに思っている方、いらっしゃいませんか?
実は、お酒に強い体質の方こそ、飲みすぎてしまうことで肝臓に深刻なダメージを与える可能性があるのです。
飲めるから、つい飲みすぎる
お酒を飲んでも顔が赤くならない方は、体内のアセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の働きが強く、酔いを感じにくい傾向があります。
そのため、「飲んでもツラくならない」→「飲酒量が自然と増える」→「肝臓に負担が蓄積する」というサイクルになりやすいのです。
まずはアルコール性脂肪肝から
お酒を習慣的に飲み続けると、まず現れるのがアルコール性脂肪肝です。
肝臓に脂肪がたまり、炎症を起こすことで、
アルコール性肝炎 肝線維化(肝臓の組織が硬くなる) 肝硬変 肝がん
へと進行する可能性があります。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるほど、自覚症状が出にくいため、症状が出た時にはすでにかなり進行していることも少なくありません。
アルコール性肝がんは“非ウイルス性肝がん”の主要原因
近年、C型肝炎などのウイルスによらない「非ウイルス性肝がん」が増えていますが、その大きな原因のひとつが長年の飲酒です。
特に、お酒に強くて長期間にわたり飲酒量が多い人ほど、肝硬変を経て肝がんを発症するリスクが高くなります。
お酒をやめなくても、「知っておく」ことが大切
もちろん、すぐにお酒をやめなければならないわけではありません。
でも、自分の肝臓が今どんな状態か、一度知っておくことはとても大切です。
血液検査や腹部エコー、必要に応じてCTやMRIなどの画像検査で、脂肪肝や肝機能の状態を確認することができます。
お酒に強いあなたへ、おすすめしたい“定期チェック”
年に1回は肝機能検査(血液検査)を 脂肪肝が疑われる場合は腹部エコーも 異常が続く場合は専門医による精密検査を
当院では、飲酒歴が長い方・肝臓が気になる方の相談や検査も承っています。
「自覚症状はないけれど、ちょっと心配」そんな段階での受診こそが、未来の健康につながります。
お酒を楽しむことは、人生の潤いのひとつです。
でも、“体が強い”からといって、“肝臓も強い”とは限りません。
「飲める人こそ、飲みすぎに注意」。
ぜひこの機会に、肝臓の健康にも目を向けてみてくださいね。