内痔核

日帰り手術のイメージ写真

内痔核は、いわゆる痔の一種です。
痔には種類がいくつかあるのですが、最も患者様が多いタイプは痔核(いぼ痔)です。
これは直腸下部や肛門の辺りの静脈がうっ血して、肛門周囲が瘤のように腫れ上がった状態を言いますが、そのうち直腸と肛門の境目より内側に生じている痔核のことを内痔核と呼びます。

痔の原因につきましては、便秘が長引いている、肛門に過剰なストレスがかかるなどが考えられ、主な症状は肛門の痛み、かゆみ、出血、残便感などです。
内痔核につきましては、発症初期では自覚症状をあまり現れず、排便時に出血が伴う程度です。
そのため、病状を進行させやすく、やがて痔核は肛門外に脱出(脱肛)するようになります。
それでも初めの頃は指で押し込むと戻るようになりますが、次第に元に戻らなくなり、肛門外に露出したままになり、常に痛むようになります。

内痔核は進行の程度によって治療(保存療法、硬化療法、ゴム輪結紮法)が異なりますが、常に痔核が肛門の外に出ている状態になると手術で切除する手術療法(結紮切除術、PPH法)が行われます。

乳房腫瘤

乳房腫瘤とは、いわゆる乳房に感じるしこりのことで、この場合に最も注意しなければならないのは、乳がんです。
ただ多くの場合、良性の腫瘤であることが多く、なかでも乳腺症(女性ホルモンのバランスが崩れることで乳腺に生じる腫れや張り、乳腺の痛みなどがみられる疾患)や乳腺線維腺腫(良性腫瘤)であるケースが大半で、ほかには皮下脂肪の塊、皮膚腫瘍といったことも考えられます。

なお腫瘤の原因を調べるにあたっては、マンモグラフィや超音波(エコー)による検査を行うなどして診断をつけます。
また、乳がんにつきましては、各自治体で定期検診を行っていますので、対象となる方は可能な限り受診し、早期発見・早期治療に努めるようにしてください。
また、気になる乳房の腫瘤(しこり)があるという方は、一度ご来院ください。

アテローム(粉瘤)

皮下にできる袋状の半球状の腫瘍のことをアテロームと言います。
なお、袋状の中身には、古い角質や皮脂が溜まっています。
これに触れると、しこりのような感触を覚え、表皮には小さな開口部が現れます。

アテロームは体のどの部位にでも発生する可能性はありますが、耳の周囲、耳たぶ、鼠径部、背中などによく見られますが、いずれにしても自然に治癒することはありません。
見た目などから爪を立てるなどして、細菌に感染して炎症が起きるような状態になると痛みが生じるようになります。
そのため、自己判断でアテロームを潰すようなことはせず、また炎症がみられたら悪化する前に受診をするようにしてください。

巻き爪

足指の爪の両端先端部が丸まっている状態が巻き爪です。
これは足指の中でも負担がかかりやすいとされる親指の爪で生じやすく、さらに丸まっている爪が皮膚に食い込んでしまうと陥入爪になります。
なお巻き爪は、開張足で外反母趾になっている方、窮屈な靴を長期に渡って履き続けている、爪を深く切り過ぎた(深爪)、遺伝などが発症の原因と考えられています。

爪が丸まっていることで痛みが出ているのであれば、お早めに当院をご受診ください。
そのまま何もせずに治療をしなければ、痛みが出ないよう足をかばった歩き方になって、自然と足首、膝、腰に負担をかけるようになって、膝痛や腰痛などを招くほか、さらに症状を悪化させ、爪が食い込むなどして炎症が起きるようになると歩行困難になることもあります。

皮膚腫瘍

皮膚にできたおできのことを総称して皮膚腫瘍と言います。
大きく良性と悪性に分類されます。
ちなみにほくろも皮膚腫瘍のひとつで、これはメラノサイトという色素細胞が皮膚の一部に集まったもので、良性腫瘍です。
良性であれば、それらの増殖は緩やかなので、生命の危機に及ぶことはありません。
悪性腫瘍とは、いわゆるがんのことです。
ただ、早期発見・早期治療に努めることができれば、予後が良い場合もあります。
なお、ほくろと皮膚がんは区別がつきにくいケースもあるので、心配な方は一度ご受診ください。

主な良性の皮膚腫瘍

粉瘤(アテローム)
皮膚が陥入した際に発生した袋に老廃物や皮脂が溜まっている半球状の腫瘍。耳の周囲、耳たぶ、鼠径部、背中などによく見受けられます。
脂漏性角化症(老人性疣贅)
いわゆるいぼです。主に皮膚の老化が原因で加齢とともに増えていきます。日光角化症や悪性黒色腫などと見分けがつきにくいこともあります。
汗管腫
眼下によくできる小型かつ扁平に隆起した発疹です。これは汗管が増殖して発生したものです。

主な悪性腫瘍

日光角化症
皮膚がん(皮膚にできる様々な悪性腫瘍の総称)のごく早期の病変で、紫外線刺激によって発生すると言われています。高齢者に発症しやすいと言われています。
ボーエン病
高齢者に発症しやすく、有棘細胞がんのように有棘層の細胞が、がん化した状態ですが、まだ表皮内に増殖が留まっている状態を言います。真皮内には達していないので転移はしません。発生部位は、鱗屑や痂疲に覆われていて、それを取り除くと赤みがかったびらん状態が現れます。
有棘細胞がん
有棘層が構成されている細胞からがん細胞が発生します。不揃いな形をした紅色の盛り上がりがよく見受けられます。日本では、基底細胞がんに次いで多いとされる皮膚がんで、紫外線が発症に強く影響していると考えられています。
基底細胞がん
日本人の皮膚がん患者の中では最も多い病気です。これは、表皮の最下層である基底層や毛包などを構成する細胞が悪性化した状態です。なお初期症状は、黒色や黒褐色の軽く盛り上がった皮疹が現れるので、ほくろと間違いやすいです。
悪性黒色腫(メラノーマ)
皮膚の色素を作るとされる細胞(メラノサイト)が、がん化した腫瘍が悪性黒色腫です。がん細胞にメラニン色素が多量に含まれて産生することが多いので、黒色になりやすいのが特徴です。なお早期発見、早期の外科的切除がとくに大事とされる悪性腫瘍です。