腹部超音波検査について

腹部超音波のイメージ写真

腹部超音波検査では、肝臓、胆嚢・胆管、膵臓、脾臓、腎臓などの臓器を主な対象として検査を行っています。
最近は、以前は弱点とされてきた胃、小腸、大腸といった腸管も超音波装置の進歩で検査可能となってきました。

生活習慣病である脂肪肝、慢性肝疾患、肝細胞がん等の肝腫瘍、胆嚢結石、総胆管結石、胆嚢腫瘍、胆管がん、膵がん等の膵腫瘍、脾腫、脾腫瘍、腎結石、腎腫瘍、水腎症、副腎腫瘍、腹水などの診断に有用です。

腹部超音波検査は、消化管ガスの存在等の検査条件により正確な診断ができない(特に膵臓)場合もありますので、必要に応じてCT・MRIなどの検査をしたほうがよいと判断される場合には、精密検査が可能な病院との連携をとり紹介させていただきます。

膀胱、前立腺、婦人科疾患に関しては、条件の良い場合は観察ができますが、正確な診断は泌尿器科や婦人科専門医との連携をとる必要がある場合があります。

腹部超音波検査でわかる主な疾患

  • 脂肪肝
  • 腎嚢胞
  • 肝嚢胞
  • 胆嚢ポリープ
  • 胆石
  • 胆嚢炎
  • 肝血管腫
  • 胆嚢腺筋症
  • 水腎症
  • 肝硬変
  • 脾腫
  • 肝がん
  • 胆管がん
  • 膵がん など

腹部超音波検査の方法

検査を受ける際には、検査の約6時間前から食事・飲水をお控えください。
また、お腹の辺りを広く調べますので、ワンピースなどは避け、検査を受けやすい服装にしてください。
通常は、診察台の上で検査を行います。仰向けで行いますが、必要に応じて横向きや座った状態で検査を行うこともあります。

検査の前に、身体と機器の密着度を上げ、超音波の通りをよくするためのゼリーを付けます。
ゼリーは事前に温めてありますが、時間とともに冷えていきます。
そのため、不快感を感じる方もいらっしゃいますが、腹部の各臓器の状態を把握するための検査ですから、ご理解とご協力をお願いします。

検査の最中には、消化管に溜まったガスなどを減らして臓器の位置を見やすくするため、息を吸ったり、吐いたり、息を止めていただくことがあります。
また、検査中は、観察しやすくするためお腹をプロープで押さえることがありますが、その際に痛みがある場合は、すぐに申し出てください。

検査の時間は概ね10分で終了します。